大手自動車メーカーから、テックジャイアントまで、錚々たる企業が参入する、「自動運転」の世界。
その技術の段階的な実装とともに、完全なる自動運転とも言われる、ドライバーのバックアップを必要としない「レベル4」以上の実現も目指して、企業それぞれの仮説に基づいた研究開発が日々進められています。
そんなAI、自動運転という日進月歩の世界において欠かせないシミュレーションツールを提供している企業の一つが、dSPACE社です。
ドイツにて創業し、2005年にはdSPACE Japanを設立。
アメリカ、イギリス、フランス、クロアチア、中国、韓国にも拠点を構えているグローバルカンパニーです。
今回、dSPACE Japan社に、計測機器を収納する用途に当社のFALラックを導入頂いたことを機に、オフィスを訪問し、日頃のお仕事の様子を伺いました。
自動運転AIの学習、そのための「高品質な」データを。
時速数十キロメートルの走行速度の中でも、セーフティな運転を。
自動運転AIには、複雑かつシビアな判断が求められることとなり、そのためのAI学習においては、良質なデータ収集が必要となります。
カメラだけでも、9台にもなることも。
加えて、センサー(レーダー、LiDAR)、GPS。
さらに、これらの機器によって収集した膨大なデータを処理する、dSPACE社開発の専用マシンAUTERA。
これらを車に搭載し、走行。
収集したデータを元に、AIが学習しやすい様にするための教師データの作成(アノテーション)や、シミュレーションを行う「データドリブン開発」をdSPACE社は強みとしているのだそうです。
dSPACE社のデモ機材を当社FALラックに収納した様子
「この機材のサイズに合うものを、探していた」
カメラ2台のデータだけでも、5時間走行すれば、そのデータ量は10TB(テラバイト)規模になるとのこと。
そのような膨大なデータをデータドリブン開発で活用するために、dSPACE社はAUTERAを軸としたデータロギングソリューションを用意しています。
ソリューションの全体像をお客様に紹介するにあたり、本来ならばサーバールームやクラウドの向こう側にあるはずの機材もAUTERAとともに日本全国に持ち歩いてお客様の前でお見せしたいとdSPACE Japanは考えました。
この機材をセーフティに収納して運搬するためのキャリングケースを探したところ、当社のFAL-5000シリーズに辿り着いたのだそうです。
これだけの機材のサイズに合う頑丈なケースというのは、他に見つからなかったとのこと。
また、持ち運び易さや防振機構を備えている点についても、安心感を持って使用頂けている様子でした。
まだ見ぬ技術を追い求める一助として、このような形で、当社製品がお役立て頂けたなら幸いです。
(2023年2月取材)